救急科(ER)ブログ

第38回蘇生学会(長崎)に参加してきました

2019.11.27   淺野祥孝
今回は、同様の学校での蘇生授業の報告が3件ほどあり、
活発な討議(苦労話を含む)ができました。
また、学校蘇生につながる話題も多く実りある場となりました。

2019年11月15日蘇生学会


埼玉県川越市での蘇生教育導入の経験 第2報 淺野
・明日香モデル等の動画が衝撃的すぎるため流すことを否定されたことはないか?
→近親者に直近で不幸があるような生徒は、動画放映時は席を外す等の対応をしている。
個別対応。全体として否定されたことはない。
・同一校に年に複数回施行したら普及に寄与するのでは。
→限られたマンパワーでは厳しい。
・学校の先生に移管するにあたっての問題は?
→医師が蘇生授業を施行する場合は、実体験に基づく付加価値があると思われてしまう。
→先生(校長を含む)の移動が状況を難しくしている場合がある。学校にノウハウの定着が起こりにくい。

聴講した4つの講演についてもご報告いたします。

「若年者の突然死 ― 心臓震盪を中心に ―」 当科 輿水先生
・心臓振盪は全く素因がない人に起こるのではなく、遺伝子異常等の何らかの素因がある可能性がある。
・直近で2回心臓振盪を起こした子供を精査したら遺伝子異常があった。
・心臓振盪を起こす場合は衝撃は心臓近くの打撲に多い。
・対応としては早期のCPRと早期の除細動が重要。
・心臓振盪の社会復帰率は年々アップしている。
・小学校高学年がから中学生・高校生に多い。
・体が大きくなる(大人になる)と減る。
→なんで大人になると減るのか非常に不思議でした。

「学校での心臓突然死ゼロを目指して。」東京慈恵医大救急科 武田先生
・学校での突然死は運動中が主。目撃ありが多い。VFが多い94%。
・84%バイスタンダーあり。ただ、救急隊が来るまでにAED使われたのは38%と少ない。
・AEDは販売台数ベースで70万台? 本当に使用できる台数はわかっていない。
・明日香モデルの動画に使用されたのは高円宮殿下が作詞作曲した歌。
・ランナーで倒れた場合、90%に死戦期呼吸がある。86%が心室細動。
→実は心源性の突然の昏倒にはほぼ全例死戦期呼吸が直後にあるのか?
・学校で蘇生事象が起きたときのエマージェンシーアクションプランを策定しておくことが重要
→当院での命の授業にも生かしていきたいと思います。
・市中のAEDを使えるように表示をもっと派手にする必要あり。100m行けば右にある等

「未来を守る-小学生から始まる全ての子供達への救命教育ー」 京都大学 石見先生
・シアトル 市民に心肺蘇生 卒業用件にCPR教育を入れることを提案。2013年から法制化
・CPR in school AHA アメリカ36州で行われている。高校生で蘇生の授業が行われる。
・デンマーク 12歳前後で施行。法律で制定されている。30%に満たない。
・イギリス 2010年に法律で制定。
→日本の学校への蘇生普及の現状はそれほど悪くないか?
・学校の先生に蘇生授業を伝えるTIPS
先生、救急医、どちらがやっても伝わり方は変わらない。を説明。
心臓マッサージとAEDの意味合いの違いを説明するこは重要。
・現在、AED財団にて救命教育の学校教材が作られている。

「人道援助活動における救命の実際と危機管理」国境なき医師団 黒崎伸子先生
・銃弾はまっすぐ行かない。人体内で縦に?回転する。
・銃創は開けない。ダメージコントロール。腹の銃創はあける。
・限られた医療資源の中で複数の赤タグ患者の手術をどのように順番付けしていくかは、
応用として非常に難しい。多発外傷、消化管脱出、血管損傷等。
→MSFは自らの命の危険のある地域でも医療を展開しているようでした。
素直にすごいという印象です。

埼玉医科大学総合医療センター
救急科 淺野


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